山陽道
防府市大道-陶市(いち)
約9.7Km
大道市(いち)-長沢池
県道25号を渡ると「山口道」と刻まれた道標が立っています。山陽道と交叉して南北へ延びる県道25号は昔から大道から山口への道として重視されていました。
この辺りが大道市(いち)です。天下御荷物送り場に宿馬十匹を備えた半宿(はんじゅく)でした。旧道を西に行くと、所々に出てくる諸光寺や妙顕寺などのお寺や、軒の低い格子窓の家が昔の市らしさを感じさせてくれます。しばらく走ると道沿いに井戸のある広い敷地を備えた立派なお屋敷が出てきます。この家が庄屋上田家で、文人への理解が深く、大田南畝を始め村田清風、頼山陽など文人、墨客が多数訪れたと言います。西側にある厳島大明神も上田家が建てたものです。
上田家を過ぎてしばらくすると国道2号に出ます。国道2号に合流した所に大きな燈籠がニ基立っています。ここが山口高嶺大神宮の内宮遥拝所跡で、この辺りに一里塚があったと言う事ですが、今ではその痕跡は留めていません。
山陽道はしばらく国道2号と重複して坂を登って行きます。頂上を過ぎて少し行くと道は再び旧道に別れますが、未舗装で狭く国道が拡幅されれば消滅してしまいそうな道です。ほんの少し走ると山陽道は国道を渡り北側に出ます。この道沿いには以前は立派な3本の往還松が立っていて、大道往還松として山口市の文化財に指定されていましたが、今は残念ながら枯れてしまい切り株しか残っていませんでした。
国道2号に合流した所が長沢池の東端で長沢池を右に見ながら少しの間国道を走ります。
山口道の道標
上田家前
遥拝所跡
長沢池前の未舗装の旧道
元大道往還松が立っていた所です
長沢池沿いの国道
長沢池-鋳銭司
長沢池畔は昭和三十年頃までは往還松が何本も立ち並び、民家も無く静かな所だったらしいですが、今ではドライブインやガソリンスタンドなどが出来て賑やかになっています。
長沢池の東端から500m程走った所が防府市と山口市の境界で、山陽道は境界から少し山口市に入ったところで国道から南に別れます。国道から分かれると道は急に細くなり、雑木林に囲まれ、にわかに旧街道らしくなります。道はJR山陽本線と周防往還自転車道と交差した辺りから緩やかな登りになり、やがて二軒の民家が出てきます。この辺りに札場があったとされています。
この道と長沢池の間は今では田畑が広がっていますが、昔はこの道まで長沢池が広がっていて、池を迂回するルートでした。道は北に向かい、再びJR山陽本線と周防往還自転車道を渡ります。踏み切りを渡った所の道端に小さな石地蔵が立っています。この地蔵はかつて陶ヶ岳の頂上にあった岩屋寺への丁石地蔵で、ここから岩屋寺までの参道が始まっていました。
道は長沢池の西端で国道に合流します。池の中に石の鳥居が立っていますが、これは池の北西部にある弁天社の一の鳥居です。長沢池の周囲には明治維新の功労者で、司馬遼太郎の小説「花神」の主人公にもなった大村益次郎を祭った大村神社や、国指定史跡の大村益次郎墓、大村益次郎関連の資料が充実した鋳銭司郷土館などがあるので明治維新に興味がある人は足をのばしてみるのも良いかもしれません。
道は国道と交叉しながら、山陽自動車道の山口南インター手前で旧国道2号の方に入ります。旧国道2号に入って少し行くと山陽道は、旧国道とJR山陽本線の間の狭い所を通ります。この道は地図には載っていないので実際に残っているのか半信半疑でしたが、一部公園に遮られたりして消滅していたものの、ほぼ昔の道幅のまま残されていました。
道は再び旧国道に戻りJR四辻駅の北側を通過しますが、大村益次郎はJR四辻駅の2-300m程南側にあった村田家で生まれました。現在ではその場所に生誕地碑が建っています。
JR四辻駅を過ぎて少し走ると道は高橋川を渡る所で二股に分かれます。旧山陽道は左側の橋を渡りますが、この辺りが古代の山陽道の駅「八千駅」があった所と言われています。
国道から南に分かれます
札場跡
岩屋山への丁石地蔵
長沢池の鳥居
JR 四辻駅前の旧道
高橋川前-八千駅跡
鋳銭司-陶
高橋川を渡ると鋳銭司です。高橋川と綾木川の間は昔のままの道幅を残していますが、家はほとんど建て替り昔の面影はありません。昭和20年頃まではこの通りに商店が立ち並び、年末には「年の市」がたち、鋳銭司で一番賑わっていたと言いますが、今では想像出来ません。
綾木川を渡ると陶に入ります。橋を渡った所に一里塚があったといいますが、今は痕跡を留めていません。一里塚があったといわれている辺りの道端にに高さ1.5m程の平らな石が立っています。この辺の地名が立石といわれるのはこの石によるものです。石には何も文字は刻まれておらず、いつから立っていたのかも分りません。寛保二年(1742)の記録には既に「昔から立っていた」と書かれています。春日神社の鳥居の前を通って旧街道をしばらく走ると国道2号を渡ります。
国道に沿うように少し走り、円覚寺前の鍵の手を過ぎた所が陶上市(いち)です。道端に赤い祠が建っていますが、これが陶の市えびすです。祠の横には庚申と猿田彦が刻まれた珍しい庚申塔も建っています。この辺りの通りは、狭い道沿いに古い家が立ち並び市の名残りを感じる事が出来ます。
橋本橋を渡ると陶下市(いち)で、橋を渡った所に陶下市えびすが建っています。この川は昔ながらの半鐘が立っていたりして、川沿いをのんびり散歩でもしてみたくなります。陶下市は陶上市ほど民家が密集していません。
陶小学校を過ぎた辺りから道沿いには民家が少なくなり田畑が多くなってきます。山陽道をそれて日吉神社の横を北に約1Km程いくと国指定史跡の陶窯跡がありますので、時間に余裕があれば足を延ばしてみるのも良いでしょう。
山陽道は一旦県道335道(旧国道2号)と合流し西に向かい、400m程走った所で右に分かれます。池の横を通り新幹線の高架の下をくぐると旧小郡町域に入ります。新幹線の高架を過ぎて少し行くと一里塚跡の石碑が建っています。
鋳銭司の旧街道
橋を渡ると陶に入ります。
立石と春日宮の鳥居
陶上市えびすと庚申塔
陶下市えびす
小郡-東津橋手前の一里塚跡